母親が結婚して数年も経たずに、家の前で竹を数本植えることにしました。この家の男性への失望からくる無言の抵抗です。

お爺さんと父親は持ち家を持つことに消極的で、現状を変えようとせず、電力会社の倉庫に住むことに満足していると、張家にお嫁にきて以来、母親はこう感じています。

性格が原住民によく似ているお爺さんは酒好きで、相当な退職金を持ちながらも全部酒に費やしました。1日で使い果たすわけではありませんが、塵も積もれば山となるということわざのように、お金は川と共に流れていくように消えました。

「いくら稼いでも川に流されるなあ」と家の前の渓流を眺めながら嘆いた阿明叔父さんが母親に運命を変える方法を伝授しました。家の正面が川と向き合わないように、高い竹を一列植え付け、そうすると視線が真っ先に西へ流れる蘭陽渓の渓流に触れなくなると言われています。

では、家の前のどこに竹を植えれば良いでしょうか。水頭の住宅の前には広い横長の台があり、その下に階段が5段続いた後、さらに台があります。その台から10段降りた所にもまた別の台があります。そこにお爺さんが植え付けた、たった一種類の、鳥のような形をしたナリヤランは真っ赤な花を咲かせ、寂しく佇んでいます。毎日、木材を運ぶ黒い列車が黒煙を噴き上げながら、ナリヤランの傍に訪れますが、その根は遠く離れた土地に縛られており、列車と共に駆け走ることはできません。

ナリヤランにようやく仲間ができました。母親が育てた竹は数年間で生い茂り、高く伸びて少し垂れた枝はナリヤランを常に守っています。一方で、竹は家の財政を守れたか、それが期待するほどの効果が得られませんでした。父親の給料はぎりぎりで生活できる程度で、持ち家を手に入れる見込みは依然として立っていませんでした。それとは別に、竹の子を天日干しする母親の姿は順泰の心に深く刻まれました。