早朝、静子と花子は枕木の橋を歩きながら、通常の学校への道ではなく、夏休みが始まったばかりで、母親に言われて九芎湖へ向かっていきました。彼女たちはサツマイモの葉っぱを採りに行くのです。2人が背負っている竹籠には、まるで山のオスセミの大群でも入ってきたかのように、蝉の鳴き声が耳をつんざくほどに喧しく聞こえます。

九芎湖には、母方のお祖母さんら相嫁同士が開拓した菜園があります。家族の2番目の息子の妻として、お祖母さんは経済的な作物であるサツマイモの葉っぱを育てており、それは豚の餌として利用されています。お祖母さんは子どもたちに対して無条件の愛情を注ぎ続けており、母親に対しても「ほしいなら採りに来て」と言いました。

一方、大伯父は九芎湖にスモモの木を育てています。まだサツマイモの葉っぱを採っていない2人は、赤く実ったスモモの実に誘われ、1つずつ捥ぎ取りました。食べながら、窃盗行為を合理化しようとしています。「大伯父は一番怒りっぽい。人を怒鳴りつけるし、名前は『邱娘好』ではなく、『邱娘惡』の方が相応しい。」2人は食べながら、大伯父の悪口を言っています。こうして、周囲に人のいない畑から、子どもたちの笑い声が絶えません。

ふと、一本のスモモの木に三角形の赤い紙が紐で縛られているのに気づきました。歯を剝き出して不気味に笑う目玉のない髑髏の絵が描かれ、大きなバツ印がついています。それは食べてはいけない警告です。姉の静子は一瞬気絶しそうになりました。スモモの木全体には薄く白い農薬が撒かれていたのです。自分たちがそこから採ったスモモを食べたことで、「もう死んじゃう!」と泣き叫びました。2人は泣きながら家に飛び込みました。

泣き止まない2人は嘔吐や腹痛の症状がなかったので、母親はかなり落ち着きました。塩水をたくさん飲ませた後、事実を確かめるために外出しました。

白い粉の小麦粉であり、赤い紙は農薬販売店からもらったものでした。これらは子どもたちがスモモを盗むのを防ぐためのカモフラージュだったのです。