初めて母親が「ルーテゥン」という台湾語を口にした時、私はそれが食べ物の鶏の胃の煮物を指す言葉だと思いました。しかし、実際の意味は全く異なります。台湾語の発音は同じですが、それは植物由来の天然洗剤を指していたのです。

母親は若い頃、茶色の天然植物由来の無添加の南僑石鹸を使っていました。時折外出先で「ルーテゥン」と呼ばれる植物を見かけると、それを家に持ち帰り、自家製の天然洗剤を作っていました。この「ルーテゥン」の植物は蔓植物の一種で、黒い実を叩いて剥くと、まるで落花生のような豆が現れます。その豆を靭性が出るまで叩いて球状に仕上げると、天然洗剤の「ルーテゥン」が出来上がります。

母親は昔ながらの天然植物由来の多くの日用品を重宝していますが、中でも「ルーテゥン」は顔の油脂を素早く落とす効果があり、母親はその効果に大変満足しています。

さらに、母親は「ルーテゥン」の蔓を洗剤としても使用できることを教えてくれました。蔓を水に浸し、数回こすると、泡が立ちます。この方法で洗濯すると、衣類は輝くようになりますが、注意が必要です。洗濯後にしっかりと水ですすがないと、残留成分が乾くとともに現れ、せっかくの衣類もあっという間に台無しになってしまうそうです。