天送埤の裏庭に広がる母親の菜園は、私にとって新奇な世界です。 旧暦の正月頃、菜園のパクチーが元気に育つ様子を見ました。清明節の頃に再び天送埤に戻ったら、「母親はなぜパクチーを採らないのだろう?大根のスープを作る時も採らな… 続きを読む Chapter 40
母親の菜園

5年前、天送埤の福山寺の門前に立派な牌坊(鳥居に似たような建築物)が建造され、工事完了後に父親は捨てられた木製型枠を拾い、それを薪として使おうとしました。プロパンがスと湯沸器が一般家庭に普及した折、父親は現代文明よりも薪… 続きを読む Chapter 39
橄欖(カンラン)の甘草漬けを薬代わりに

原木を運ぶ黒い列車がブーという音を鳴らしながら、水頭の家の前を走ってきました。まるで長い胴体を持つ黒いダックスフントのような列車に、喜んだ猟犬のクロが階段を駆け下り、しっぽを振りまくりました。 母親はその光景を目にし、「… 続きを読む Chapter 38
インダ

テレビでセンザンコウが蟻を吸い取って食べる異様な様子の映像では、その背景には主にアフリカ大陸のサバンナが映っています。実は、センザンコウは台湾の固有種であり、古くから台湾に生息しています。 お爺さんはセンザンコウをよく食… 続きを読む Chapter 37
センザンコウ

今日になって、ついに雨がやんだものの太平山の麓には日差しが届かず、濁水渓の上には空一面に灰色の雲が広がっています。 母親は2日間仕事に出かけていないだけで、朝、軒下に干してある蓑を見て驚愕しました。たったの2日間の間に、… 続きを読む Chapter 36
じめじめ

順泰が使う水頭の部屋は年間を通じてヒノキの香りが漂います。枕元に近い壁際に置かれた紅檜(ベニヒ)が香りの源で、それはひつぎを作るために備えておいた材木です。ひつぎという言葉の方が分かりやすいですが、母親は縁起の悪い言葉を… 続きを読む Chapter 35
ひつぎの材木

初めて母親が「ルーテゥン」という台湾語を口にした時、私はそれが食べ物の鶏の胃の煮物を指す言葉だと思いました。しかし、実際の意味は全く異なります。台湾語の発音は同じですが、それは植物由来の天然洗剤を指していたのです。 母親… 続きを読む Chapter 34
「ルーテゥン」

宜蘭は台湾で降水量と湿気が最も多い地域で、洗濯物を干すのは母親にとって大変頭の痛いことのはずだが、そうではありませんでした。 水頭で洗濯物を干すには、風吹き、岩焼き、乾燥の3つの方法があります。 水頭の家は電力会社の古い… 続きを読む Chapter 33
洗濯物を干す

山の人々は大体定職がなく、あっても薄給でギリギリで食べていける程度で、農地を所有する極一部の人でもその収穫は大家族の食い扶持を確保するのは難しく、そのため、台湾電力と林業の作業班の日雇い労働が家計の穴を埋める収入源となり… 続きを読む Chapter 32
阿環仔の笑い話

母親は怒った七面鳥を面白く見るのが好きです。性格が似ているせいか、台湾語では、うるさくて怒りっぽい女性を「フェ―ゲーボ(メスの七面鳥)」と呼んでいます。 七面鳥の怒り方はオスとメスで異なります。メスの場合は、カゥ、カゥ、… 続きを読む Chapter 31
七面鳥(二)